2009 Fiscal Year Annual Research Report
ケミカルバイオロジー手法による効率的癌細胞標的ペプチドの探索
Project/Area Number |
20611011
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
二見 翠 Okayama University of Science, 工学部, 講師 (10467748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宍戸 昌彦 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60026268)
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Keywords | がん細胞 / ペプチドライブラリー / スクリーニング / 蛍光 |
Research Abstract |
合成ペプチドライブラリーから細胞を使ってがん細胞に特異的に結合するペプチドをスクリーニングする系を確立するため、本年は細胞種の違いがスクリーニングに影響しない過剰発現系を構築し、これを使ったスクリーニングを開始した。このスクリーニングでは、がん細胞特異的膜タンパク質について、これを発現していない細胞に遺伝子組み換えにより強制発現させ、親細胞と遺伝子組み換え細胞を同時にスクリーニングし、結果を比較しながら結合ペプチドを選び出す。前立腺がん細胞表面に特異的に提示されているといわれるPSMAという膜タンパク質をコードする遺伝子を入手し、これを挿入した動物細胞用発現ベクターを、PSMAを発現していないヒト乳がん細胞とヒト胎児由来腎細胞に導入した。目的のPSMAが細胞膜上に発現していることを確認し、このPSMA一過的発現細胞と親株を使ってペプチドスクリーニングを行ったところ、親株と比較してPSMA発現細胞に強く結合するサブライブラリーがあることがわかった。この結果から、本スクリーニング法によりPSMA結合ペプチドを取得できる可能性が高いことが示された。今後、スクリーニングを更に重ね、PSMA発現細胞に結合し、親株に結合しないペプチドの配列を同定する。また、乳がん細胞膜上に多く発現するHer2や、多くのがん細胞表面によく発現するEGFRの動物細胞発現ベクターの構築にも着手しており、これが完成し次第スクリーニング実験に移行する。
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