2010 Fiscal Year Annual Research Report
藻類由来の毒性物質および機能性小分子をプローブとした二枚貝致死の機構
Project/Area Number |
20611012
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平賀 良知 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教 (10238347)
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Keywords | 赤潮プランクトン / 渦鞭毛藻 / ヘテロカプサ・サーキュラリスカーマ / 構造決定 / トレーサー分子 / 有機触媒 / 二枚貝致死活性物質 / 構造活性相関 |
Research Abstract |
新種渦鞭毛藻,ヘテロカプサ・サーキュラリスカーマ(Heterocapsa circularisquama)(以下,ヘテロカプサ)に含まれるカキや真珠貝などの二枚貝に対して毒性を示す物質の構造と活性相関を行うために,その構造解析を継続している。また,部分構造を構築するための有機触媒の合成と反応を行った。 (1)構造活性相関に基づく活性発現に必須な化学構造の探索 毒性物質として,これまでに見出している分子量約2,000の化合物HTX-Bについては,NMRおよびMSによる解析の他,分子内にある二重結合に対する解裂反応を行って,小分子への誘導を行った。現在,その解析を行うとともに,さらなる解裂反応を行うために,培養による必要な量の確保に努めている。 (2)立体化学を制御したトレーサー化合物の合成 毒性物質の分子内に多く含まれる水酸基の立体化学の立体化学の決定および立体化学の違いによる活性相関を検討するため,立体化学を制御したトレーサー分子の創製を目的として,有機触媒を用いた直接的アルドール反応を利用した効率的なトレーサー分子の創製を検討した。これまでに,β-ホモプロリン誘導体として,新規有機触媒8種を合成し,それらの触媒を用いた場合の反応性について比較した。その結果,有機触媒中の水酸基の立体化学およびカルボン酸の存在によって反応収率および不斉収率が大きく変化することを見出した。最も効率的な有機触媒は,これまで知られているプロリンと同等もしくはそれ以上のエナンチオ選択性を示すことを見出した。
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