2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20611016
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
田代 悦 Keio University, 理工学部, 講師 (00365446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井本 正哉 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (60213253)
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Keywords | 小胞体ストレス / 固形がん悪性化 / XBP1 |
Research Abstract |
固形がん悪性化におけるXBP1の機能解析のため,XBP1活性化阻害剤を微生物2次代謝産物より探索した.その結果,これまでに新規トリエン・アンサマイシン系化合物トリエリキシンを一放線菌培養液中より活性物質として単離したが,更なる探索の結果,他の放線菌培養液中にもXBP1活性化阻害活性が見出され,新規トリエン・アンサマイシン系化合物キノトリエリキシンを単離した.トリエリキシンとキノトリエリキシンはXBP1の活性化をnMオーダーで強く阻害し,またほぼ同濃度で様々ながん細胞の増殖を抑制したことから,トリエリキシンとキノトリエリキシンはXBP1の活性化を阻害することでがん細胞の増殖を抑制していることが強く示唆された.一方で,さらなるスクリーニングの継続の結果,RNA合成阻害剤として知られているトヨカマイシンを単離した.しかしトヨカマイシンはRNA合成を阻害する濃度よりも約100倍も低濃度でXBP1を阻害したことから,RNA合成阻害とは異なった機構でXBP1を阻害することが強く示唆された.さらに,低栄養状態を模倣する2-deoxy Glucose (2DG)存在下でトヨカマイシンを添加すると,2DGによるXBP1の活性化が抑制され,そして2DGとトヨカマイシン相乗的に細胞死が誘導されることを見出した.よってトヨカマイシンは, XBP1を阻害することでXBP1依存的な生存シグナルを抑制し,その結果細胞死を誘導することが示唆された. 以上,平成20年度は3つのXBP1活性化阻害物質の単離・精製に成功し,XBP1活性化阻害とがん細胞増殖阻害の関係を強く示唆する結果を得ることが出来た.
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Research Products
(4 results)