2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20611016
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
田代 悦 Keio University, 理工学部, 講師 (00365446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井本 正哉 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (60213253)
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Keywords | 小胞体ストレス / 固形がん悪性化 / XBP1 / タンパク質合成阻害剤 |
Research Abstract |
固形がん悪性化におけるXBP1の機能解析のため,XBP1活性化阻害剤を微生物2次代謝産物より探索した結果,これまでに新規トリェン・アンサマイシン系化合物トリエリキシンとキノトリエリキシンの2化合物とトヨカマイシンの取得に成功した.そこで本年度はトリエリキシンとキノトリエリキシンによるXBP1活性化阻害メカニズムの解析を行った.トリェリキシンとキノトリエリキシンはお互いに類縁体であり,また同じ活性を有することからそのXBP1阻害メカニズムは同じであると予測されたために,キノトリエリキシンに焦点を絞ってメカニズム解析を行った.まず始めに,キノトリエリキシンがタンパク質合成阻害活性を持っていることを見出した.さらにシクロヘキシミドやアニソマイシンといった既存のタンパク質合成阻害剤もXBP1活性化を阻害することがわかり,キノトリエリキシンはタンパク質合成阻害によってXBP1活性化を阻害していることが強く示唆された.一方,同じくタンパク質合成阻害剤であるピューロマイシンはXBP1活性化を阻害しなかったことから,キノトリエリキシンは小胞体内に流入する新生ポリペプチドの合成を阻害することで不良タンパク質の蓄積を抑制し,その結果としてXBP1活性化を阻害することが明らかになった.タンパク質合成阻害がXBP1活性化を阻害することは初めての知見で,XBP1を活性化するためには新生ポリペプチドが小胞体内に流入することが必須であることを明らかにした.
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Research Products
(20 results)