2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20611016
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
田代 悦 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (00365446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井本 正哉 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (60213253)
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Keywords | 小胞体ストレス / 固形がん悪性 / XBP1 |
Research Abstract |
固形がん悪性化におけるXBP1の機能解析のため,XBP1活性化阻害剤を微生物2次代謝産物より探索した結果,これまでに新規トリエン・アンサマイシン系化合物トリエリキシンとキノトリエリキシンの2化合物とトヨカマイシンの取得に成功した.昨年度までの研究によって,トリエリキシンとキノトリエリキシンはタンパク質合成阻害によって小胞体ストレスによるXBP1活性化を阻害することを明らかにした.一方で,単離したもう一つの化合物トヨカマイシンはRNA合成阻害剤として知られているが,トヨカマイシンはRNA合成とは異なるメカニズムでXBP1を阻害し,また小胞体ストレス状態の細胞にトヨカマイシンを添加すると細胞死を誘導することから,トヨカマイシンのXBP1阻害機構についてさらに解析を行った.その結果,トヨカマイシンは小胞体ストレスによるIIE1aの活性化ステップを阻害していることがわかった.小胞体ストレスによるIRE1aの活性化には,IRE1aの自己リン酸化とその後のADPもしくはATPの結合が必須であるが,トヨカマイシンはIRE1aの自己リン酸化は阻害しなかった.したがって,トヨカマイシンはIRE1aの自己リン酸化後におこるヌクレオチドの結合を阻害していることが示唆された.近年,恒常的な小胞体ストレス状態であることが知られている骨髄腫細胞に対して,IRE1aの阻害剤が抗腫瘍物質として有効であることが報告されている.今後,トヨカマイシンが骨髄腫に対する新しい分子標的治療薬として期待できる.
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] Isolation and structure elucidation of a novel androgen antagonist, arabilin, produced by Streptomyces sp.MK756-CF12010
Author(s)
T.Kawamura, T.Fujimaki, N.Hamanaka, K.Torii, H.Kobayashi, Y.Takahashi, M.Igarashi, N.Kinoshita, Y.Nishimura, E.Tashiro, M.Imoto
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Journal Title
J.Antibiot(Tokyo)
Volume: 63
Pages: 601-605
Peer Reviewed
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