2009 Fiscal Year Annual Research Report
核機能の解明を目指した分裂酵母のケミカルローカリゾーム解析
Project/Area Number |
20611022
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
八代田 陽子 The Institute of Physical and Chemical Research, 吉田化学遺伝学研究室, 専任研究員 (60360658)
|
Keywords | 分裂酵母 / ローカリゾーム / スプライシング |
Research Abstract |
抗癌活性をもつ化合物Spliceostatin Aはスプライシングに必要なSF3b複合体に結合し、スプライシング機能を阻害する。本研究では、Spliceostatin Aによる分裂酵母全タンパク質の細胞内局在(ローカリゾーム)に対する影響を網羅的に解析する「ケミカルローカリゾーム」解析を実施する。タンパク質局在変化を指標としたSpliceostatin Aの作用機序およびスプライシング因子の新たな機能を導き出すことを目的とする。分裂酵母のYFP融合型の全タンパク質可視化ライブラリー(Matsuyama et al., 2006, Nat. Biotechnol.)を用いて、Spliceostatin Aにより局在変化の起こるタンパク質を網羅的に探索したところ、4,489クローン中、約140クローンが局在変化を示した。局在変化のパターンとして、細胞質のドットや核小体に移行するタンパク質が多く見られた。特に核小体へ移行するタンパク質にはリボソーム生合成に関与するものが多く存在していた。この結果より、Spliceostatin Aがリボソームプロセシング過程に影響することが示唆された。さらに、局在変化を示したタンパク質をコードする遺伝子群について、Gene Ontology(GO)Termの統計学的抽出を行ったところ、「Biological process」において「RNA代謝」、「核酸代謝」、「転写」関連遺伝子が有意に濃縮されていることがわかった。
|
Research Products
(2 results)