2010 Fiscal Year Annual Research Report
コヒーレントTHz光生成のための高調波空洞によるバンチ長制御の研究
Project/Area Number |
20612001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
日出 富士雄 東北大学, 電子光理学研究センター, 助教 (60292207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱 広幸 東北大学, 電子光理学研究センター, 教授 (70198795)
河合 正之 東北大学, 電子光理学研究センター, 准教授 (60374899)
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Keywords | 加速器 / テラヘルツ / 電子線 / 高調波空洞 |
Research Abstract |
本課題は、東北大学電子光理学研究センター(旧核理研)にある1.2GeV電子シンクロトロン(STBリング)に高調波空洞を適用することで電子ビームの短バンチ化を企図したものであり,これによりテラヘルツ帯での大強度のコヒーレント放射光源への実用化を見据えて,縦方向ビームダイナミクスについての研究を行った.本研究では150又は200MeVの入射エネルギーで貯蔵された電子ビームに対して,高い加速RF電場を適用することに加えて,更に加速RF周波数の3倍の周波数を持った高調波加速空洞を用いることで,バンチ長の制御とこれによるコヒーレント放射の生成を実証することを目指したが,マクロパーティクルモデルを用いたトラッキングシミュレーションコードの開発を行い,これを用いた評価の結果,原理的には観測可能な強度のコヒーレント放射が生成されるとの結果が得られた.また主高周波加速空洞の空洞電圧やチューニング角、高調波加速空洞のチューニング角に対するコヒーレントテラヘルツ光の強度の相関などのデータを通して,電子円形加速器における縦方向ビームダイナミクスについてより深い理解を得ることができた.なおSTBリングにはクロマティシティを補正する6極磁石が設置されておらず,ヘッドテール不安定性を抑制することができないための課題も残されているが,今後の展開として複合機能型電磁石を用いた6極磁場の導入といった対処も検討が進められている.
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Research Products
(1 results)