2008 Fiscal Year Annual Research Report
2つの量子ビームを同時に利用した革新的な水素・水和構造情報獲得への挑戦
Project/Area Number |
20612003
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
日下 勝弘 Ibaraki University, フロンティア応用原子科学研究センター, 准教授 (10414591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 伊知朗 茨城大学, 工学部, 准教授 (20354889)
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Keywords | 同時構造解析 / 中性子構造解析 / X線構造解析 / 水素・水和構造 |
Research Abstract |
現在、日本で建設が進められている次世代パルス中性子源および放射光の2つの量子ビームにより、高分解能・高精度に測定された回折データを同時に利用し、革新的な水素・水和構造情報の獲得を目指して、ユーザーフレンドリーな中性子-X線同時構造解析ソフトウェアシステムの構築を進めた。まずは解析システム導入用の計算機を導入した。本計算機に中性子-X線同時構造解析ソフトウェアを導入すると共に本ソフトウェアの動作に必要なコンポーネントを合わせて導入し、これが正しく動作することをテストデータを用いることにより確認した。また、導入したソフトウェアシステムを用いた解析における水素・水和構造の情報量・質・信頼性を評価するために、すでに中性子回折データが測定されている単結晶試料について放射光によりX線回折データの測定を実施した。この測定したX線回折データと既存の中性子回折データを用いて、X線構造解析、中性子構造解析、X線-中性子同時構造解析を進め、現在それぞれの解析コンポーネントについて水素・水和構造の情報量・質および信頼性の評価を進めている。今後、導入した中性子-X線同時構造解析ソフトウェアシステムの適応を進める中性子回折データの測定装置である次世代パルス中性子源J-PARCに設置された茨城県生命物質構造解析装置を用いて、中性子構造解析用データの予備測定を行った。これにより、システムの評価に使用できるデータの測定が可能であることが判明した。この予備測定データを基に、次年度以降、評価用実データの測定を進める予定である。
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Research Products
(2 results)