2010 Fiscal Year Annual Research Report
中赤外波長可変ナノ秒パルスレーザーによるコレステロールエステルの選択的分解除去
Project/Area Number |
20612006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
粟津 邦男 大阪大学, 工学研究科, 教授 (30324817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 克典 大阪大学, 工学研究科, 助教 (20512073)
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Keywords | レーザー治療 / レーザー血管形成術 / 粥状動脈硬化症 / 中赤外パルスレーザー / 差周波発生 |
Research Abstract |
粥状動脈硬化症の低侵襲な血管内治療法として、中赤外波長5.75μmのナノ秒パルスレーザー用いた血管形成術の開発を行った。レーザー血管形成術においてアブレーションにより生成される飛散物の大きさは、塞栓症の危険性を考える上で重要である。JWウサギ(正常ウサギ)およびWHHLMIウサギ(動脈硬化発症ウサギ)を用い、膨潤状態の胸部大動脈片に対して、波長5.75μm、平均パワー密度70~80W/cm^2、照射時間3~5sの照射条件においてレーザーを照射した際に発生するアブレーション飛散物のサイズおよびそれらの割合を、コールターカウンターおよびメッシュ回収による光学顕微鏡観察を併用し分析した。平均パワー密度80W/cm^2、照射時間3sの場合、正常動脈からは繊維状の飛散物が観察され、約80%が直径10μm以下、約2.5%が35μm以上であった。粥状動脈からは油滴状の飛散物が観察され、約80%が直径10μm以下、約0.05%が35μm以上であった。また、平成21年度に開発した波長5.75μmを血管内に導光する治療カテーテルを極細血管内視鏡下で用い、WHHLMIウサギ胸部大動脈内膜の選択的除去効果の検討を行った。血液が存在する照射環境で動脈内膜をアブレーション可能なことを確認することができた。本技術は正常組織に低侵襲に、すなわち病変組織選択的に治療することが可能である。現在先進医療で行われているエキシマレーザー血管形成術と比較して原理的に安全であり、次世代のレーザー血管形成術として有力である。
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Research Products
(12 results)