2008 Fiscal Year Annual Research Report
高臨界角スーパーミラーを用いた多重チャネル中性子収束デバイスの研究
Project/Area Number |
20612017
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
曽山 和彦 Japan Atomic Energy Agency, J-PARCセンター物質・生命科学ディビジョン, 研究主幹 (90343912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 龍治 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター物質・生命科学ディビジョン, 研究員 (90379008)
山村 和也 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60240074)
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Keywords | 中性子集光 / スーパーミラー / 微細加工 / 数値制御ローカルウェットエッチング |
Research Abstract |
中性子収束技術は、試料からのシグナルの弱い極限条件下の物質構造研究では欠くことのできない技術である。本研究では、原子力機構が開発した高性能スーパーミラーと大阪大学が開発した超精密加工法である数値制御ローカルウェットエッチング法(NC-LWE)を融合させることにより、新しい収束デバイスを開発することを目的としている。今年度は、当初研究実施計画に掲げた研究内容を下記のとおり予定通り実施することが出来、先ずはスーパーミラー(m=2、Ni/Ti100層)を有する円筒型ミラーを試作することに成功した。 1.砲弾型ミラー形状の検討として、回転楕円体から構成される試作体の設計をray trace法を用いて行った。 2.NC-LWE装置の加工量は、加工物に対するエッチャント供給ヘッドの滞在時間で制御される。ここでは、エッチャントの濃度と温度を考慮した平板石英ガラスに対するエッチングレート等加工特性を測定し、両パラメータに対し工加工量が指数関数的に変化することを明らかにした。 3.曲面基盤への成膜においては、膜厚均一性及び膜密着性が大きな課題であった。円筒ガラス基盤上に成膜したNi/Ti膜の厚分布をX線回折計により評価し膜厚分布制御用マスクの検討を実施した。また、イオンビームスパッタ法の膜密着改の検討を行うため、膜厚をパラメータとして〜5μm厚さのニッケル薄膜を円筒ガラス基板に成膜し十分な密着性を有することが分かった。 4.円柱ガラス基盤に成膜したスーパーミラー上に薄い金属基盤を電鋳法により形成し、続いて円柱ガラス基板をエッチングで除去することによって金属基盤上に形成されたスーパーミラー(m=2、Ni/Ti100層である円筒型ミラーを試作することに成功した。
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Research Products
(11 results)