2009 Fiscal Year Annual Research Report
超コンパクト・マルチバンチZ偏光フォトカソード電子銃の開発
Project/Area Number |
20612024
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
冨澤 宏光 Japan Synchrotron Radiation Research Institute, 加速器部門, 副主幹研究員 (40344395)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出羽 英紀 (財)高輝度光科学研究センター, 加速器部門, 副主幹研究員 (20360836)
谷内 努 (財)高輝度光科学研究センター, 加速器部門, 副主幹研究員 (60360822)
水野 明彦 (財)高輝度光科学研究センター, 加速器部門, 副主幹研究員 (30360829)
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Keywords | ラジアル・アジマス偏光 / Z偏光・フェムト秒レーザー / ショットキー効果 / フォトカソード / Z偏極電子源 / RF電子銃 / X線自由電子レーザー(XFEL) / 次世代放射光加速器 |
Research Abstract |
平成21年度は、ラジアル偏光の円環レーザビームを再現性をもって生成するための自動調整システムを開発導入した。レーザプロファイラーで観測した円環ビームの再現性の評価を行った。同一中心を持つ外円と内円で完全円環を表現し、円環ビームの完全度を内外円の直径と中心位置の差で数値評価した。アキシコンレンズ・ペアへのレーザ入射位置と角度によって、生成される円環ビームの品質は左右されることを詳細に検証した。円環ビームの形状の歪みはカソード上でラジアル偏光円環ビームが集光されてZ方向に電界を作るときに、その生成効率に大きく影響する。そのために、リスレープリズム対(0.1度の角度が付いたウェッジ板のペア)を自動制御回転ホルダーに入れてレーザ光路上に設置してアライメントの最適化制御を円環の品質が高まるようにファジー集合論に基づいた最適化制御を行うシステムを開発した。これにより、Z偏光電子銃に再現性をもって円環ビーム入射が可能となった。 Ti:Saレーザの3倍高調波(264nm)以外にも基本波(792nm)や2倍波(396nm)のラジアル偏光をカソード面上に集光させるための光学トランスポートも整備し、円環ビーム化にも成功した。また、このラジアル偏光素子(Radial polarizer)で、アキシコンレンズペアで構成するホロービーム入射光学系とともに使用し、ラジアル偏光からアジマス偏光へと自由に切替え可能なことを基本波と2倍波についても確認した。Z偏光電子銃による、光電子発生実験を行うカートリッジ型カソード方式RF電子銃装置に、各種金属カソード(2個ずつ)計10個(銅、金、白金、銀、アルミ)を組み込んである。この金属カソード以外にもレーザスポット確認用の蛍光カソードと電子銃空洞のRFコンディショニング用の銅カソードを組み込んである(カソードの合計は12個になる)。一連の光量子発生実験を現在、RFコンディショニングを進めながら、基礎データの取得中である。
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Research Products
(5 results)