2008 Fiscal Year Annual Research Report
貴金属使用量低減を目指したアパタイト型ケイ酸塩を用いた排ガス浄化用触媒の開発
Project/Area Number |
20613001
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
加藤 純雄 Akita University, 工学資源学部, 准教授 (50233797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 真一 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (70312692)
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Keywords | 排ガス浄化 / 貴金属 / アパタイト型ケイ酸塩 |
Research Abstract |
アパタイト型構造を有するケイ酸塩の合成を行うとともに、貴金属を担持した触媒の調製し、C_3H_6を還元剤としたNO選択還元反応に対する活性評価を行った。La_<9.33>Si_6O_<26>およびLa_<8.33>MSi_6O_<25.5>(M=Ca, Sr, Ba)組成ではゾルゲル法を用て空気中800℃で焼成することによりアバタイト構造の単一相が得られ、格子定数の測定結果より、LaサイトにMイオンそれぞれ固溶していることがわかった。Pt/La_<9.33>Si_6O_<26>およびPt/La_<8.33>BaSi_6O_<25.5>とPt/Al_2O_3触媒のNOx転化率の温度依存性の測定結果から、Pt/La_<9.33>Si_6O_<26>触媒ではPt/Al_2O_3触媒よりもNOxの転化率が低温域で高くなることがわかった。さらにLaサイトの一部をBaで置換することにより、300℃での活性が向上した。また、本反応ではC_3H_6の転化率が増加する温度領域でNOxの転化率も向上した。 LaをPrに置換したPr_<9.33>Si_6O_<26>組成では空気中1300℃で, Pr_<7.33>M_2Si_6O_<26>(M=Ca, Sr, Ba)組成ではN_2気流中1300℃で焼成することによりアパタイト構造の単一相が得られた。また, Mイオンを置換した組成の格子定数は, M^<2+>のイオン半径とともに増加したことから, それぞれアパタイト構造中に固溶していると考えられた。Pt/Pr_<7.33>M_2Si_6O_<26>, Pt/Pr_<9.33>Si_6O_<26>、Pt/La_<9.33>Si_6O_<26>およびPt/Al_2O_3を用いたときのC_3H_6転化率およびNO転化率の温度依存性を検討した結果、Pt/Pr_<9.33>Si_6O_<26>は、Pt/La_<9.33>Si_6O_<26>よりも低温域から触媒活性が発現し、NO転化率の最大活性も高くなることがわかった。これは, Lnサイトに価数変化しやすいPrを導入することで酸化・還元反応を促進したものと考えられる。Pt/Pr_<7.33>M_2Si_6O_<26>は、Pt/Pr_<9.33>Si_6O_<26>に比べ、M=Caの場合でNO転化率の最大活性が高くなり、M=Sr,Baの場合では低温域かち触媒活性が発現することがわかった。これは、アルカリ土類金属イオン置換による塩基性や酸素欠損量の増加が影響したと考えられる。以上の結果より、Pr含有アパタイト型ケイ酸塩は排ガス浄化触媒として有効であり、アルカリ土類金属イオン置換によりNO還元特性が変化することが明らかとなった。
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