2010 Fiscal Year Annual Research Report
貴金属使用量低減を目指したアパタイト型ケイ酸塩を用いた排ガス浄化用触媒の開発
Project/Area Number |
20613001
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
加藤 純雄 秋田大学, 大学院・工学資源学研究科, 准教授 (50233797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 真一 秋田大学, 大学院・工学資源学研究科, 教授 (70312692)
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Keywords | 排ガス浄化触媒 / アパタイト / 貴金属 |
Research Abstract |
アパタイト型ケイ酸塩La_8M_2Si_6O_<26>(M=Ca,Sr,Ba)およびLa_9M_2Si_6O_<26>(M'=Li,Na,K)を担体としたPt触媒の担体組成が活性種(貴金属)の分散および化学状態に及ぼす影響の検討を行った。La_8M_2Si_6O_<26>(M=Ca,Sr,Ba)は、テトラエトキシシラン、酸化ランタンおよびアルカリ土類金属炭酸塩を出発原料としたアルコキシド法、La9_M_2Si_6O_<26>(M'=Li,Na,K)は、二酸化ケイ素、酸化ランタンおよびアルカリ金属炭酸塩を出発原料とした固相反応法を用いて合成した。得られた酸化物に含浸法によりPtを担持した触媒を調製し、C_3H_6-NO-O_2反応に対する触媒活性の評価、X線光電子分光法(XPS)によるPtの化学状態分析と水素昇温還元法(H_2-TPR)によるPtの還元特性の評価を行った。調製後のPt/La_8M_2Si_6O_<26>触媒上のPtの化学状態はいずれも、Pt^<2+>とPt^<4+>が共存しており、C_3H_6-NO-O_2反応を行った後の触媒では、Pt^<4+>の状態は見られず、金属状態のPtが存在することがわかった。この結果は、反応中に触媒上のPtが還元されていることを示している。H_2-TPRによる還元特性の検討の結果、M=Caの場合に比べ、M=Sr,Baの場合にPtの還元温度が低くなることが示され、担体組成がPtの還元特性に影響していることが明らかとなった。Pt/La_8M_2Si_6O_<26>触媒のC_3H_6-NO-O_2反応に対する触媒活性は、M=Ca<Sr<Baの順に高くなったことから、Sr,Baを含む担体を用いた場合に活性種であるPtが還元されやすくなったことが活性向上に寄与していると考えられた。また、担体にアルカリ金属を含有するPt/La_9M_2Si_6O_<26>(M'=Li,Na,K)触媒においては、C_3H_6-NO―O_2反応に対して300℃以下の低温域で高いNO還元活性を示した。これらの結果は、アパタイト型ケイ酸塩担持Pt触媒を用いたNO選択還元反応には、担体の塩基性が活性向上に有効に働くことを示唆しており、NO還元機構を解明するための重要な知見が得られた。
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Research Products
(3 results)