2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20613007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
横尾 俊信 Kyoto University, 化学研究所, 教授 (90158353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 雅英 京都大学, 化学研究所, 准教授 (20288559)
徳田 陽明 京都大学, 化学研究所, 助教 (30372551)
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Keywords | 鉛フリー / ビスマスフリー / 低融点ガラス / 無溶媒合成 / ケイリン酸塩 / ホウケイ酸塩 |
Research Abstract |
我々は近年、酸塩基反応やアルコール縮合による低温無溶媒反応を用いた種々の有機-無機ハイブリッド材料を報告している。本研究ではホウ酸とアルコキシシラン化合物を無溶媒・無触媒で常温〜300℃で反応させる事で、有機修飾されたホウケイ酸塩系のハイブリッドガラス材料を作製することに成功した。本講演では、反応メカニズムの解明と合成条件によるガラス構造について報告する。 H3BO3 (Wako Chemical, Japan)とR2Si (OEt) 2(R=Ph, Me, Shin-Etsu Chemical Co., Ltd., Japan)は出発材料として用いた。すべてのサンプルは窒素雰囲気下、r.t.〜300℃で合成した。反応後、ステンレス板上で冷却し固体材料を得た。固化した試料についてはTMA測定による熱物性評価を行った。構造評価は11B, 29Si Static/MAS NMRおよびFT-IR測定によって行なった。 H3BO3:Ph2Si(OEt)2=1:1.5を所定の温度(80-300℃)で3時間合成した結果、100℃以上では透明な粘性液体が得られた。100-150℃の反応温度では冷却による固化は見られず、透明な固体試料は200℃以上で反応した液体を冷却することで得られた。FT-IR測定の結果、全ての試料でB-O-Si結合による無機鎖の形成が確認された。また、11B NMRの結果、ホウ素は液体状態では4配位を形成し、固体試料では3配位と4配位が混在している状態であることが確認された。 アルコール縮合等により形成された4配位ホウケイ酸塩基を反応中間体とした縮合プロセスにより、有機修飾ホウケイ酸塩系ガラスバルク体が形成されていると考えた。
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