2009 Fiscal Year Annual Research Report
貴金属使用削減に向けた電極構造デザインと反応特性評価
Project/Area Number |
20613008
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤本 愼司 Osaka University, 工学研究科, 教授 (70199371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上谷 博昭 大阪大学, 工学研究科, 助教 (50432513)
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Keywords | 電極触媒 / アノード皮膜 / ポーラス酸化物 / 電気化学 |
Research Abstract |
本研究では、構造制御された陽極酸化TiO_2ナノチューブ電極上への貴金属ナノ粒子の極微量担持による電極特性の向上を目的としている。本年度は、陽極酸化に用いる溶媒組成を制御することによるTiO_2ナノチューブの高アスペクト比化とAgナノ粒子担持したTiO_2ナノチューブ電極の色素増感太陽電池特性について検討した。昨年度の研究より有機溶媒中の水分量を制御すること及び陽極酸化時間を長くすることにより高アスペクト比のTiO_2ナノチューブを得ることが出来ることを明らかとしているが、陽極酸化時間を長くした場合、形成したTiO_2ナノチューブの溶解により表面にナノグラスと呼ばれる不規則層が形成することが問題であったが、陽極酸化に用いる溶液に加えるフッ化物源の種類を変えることでナノチューブ成長速度を落とすことなく、ナノグラス形成を抑制することが出来ることが分かった。近年、酸化チタンにAgを担持することにより色素増感太陽電池特性を向上させることが試みられている。TiO_2電極に陽極酸化により作製されたTiO_2ナノチューブ電極を用いることにより、従来の粒子からなる電極において粒子間で起こる再結合を抑制できるため、Ag担持の効果を抑制することも少なくなると考えられる。色素を吸着させたTiO_2ナノチューブ電極ではチューブ長さが長くなるとともに、TiO_2表面への色素吸着量が増加し、光電流が増加した。また、TiO_2表面へ色素を吸着する前に極微量のAgナノ粒子を担持させることにより、光電流値を大きく増加させることができることが分かった。その効果は、ルテニウム色素の吸着量が少ない領域で最も効果的であった。従って、極微量のAg粒子を担持したTiO_2ナノチューブ電極を色素増感太陽電池に用いることにより性能を維持しつつ、TiO_2表面に吸着させるルテニウム色素の量を削減できる可能性があることが明らかとなった。
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