2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20613011
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
北條 純一 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (20038079)
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Keywords | 環境技術 / 無機工業化学 / 高温腐食 |
Research Abstract |
前年度までの各種酸化物セラミックスの溶融スラグに対する濡れ性・反応性・溶解性のデータを参考として、より実用的な複成分の耐火物組成の試料を調整して、溶融スラグに対する反応性ならびに溶解性を実験的に調査するとともに、熱力学的シミュレーションにより最適な複合組成を探索し、成果をまとめた。 1,溶融スラグに対するセラミックスの反応性・溶解性の調査 耐火物の構成相として汎用されているアルミナは溶融スラグに対して濡れ性、反応性とも低く、マグネシアは濡れ性、反応性とも高く、ジルコニアは濡れやすいが反応性は低いという特徴を有している。これらを用いて、耐火物試験体を作製して特性評価したところ、スラグ浸漬試験でジルコニア耐火物が高い耐食性を有することを明らかにした。また、アルミナあるいはマグネシアにジルコニアを添加すると耐食性が向上することも見いだした。 2.熱力学的シミュレーションによる最適複合組成の探索 熱力学計算システム(Fact-Sage)により、アルミナ-マグネシア、アルミナ-ジルコニア、マグネシア-ジルコニア系などの複合系に対する溶融スラグの反応性について、複合組成とその使用温度による耐溶損性の変化に関する情報を体系的に調査した。その結果、耐溶損性の観点から、アルミナよりもマグネシアとジルコニアが優れており、さらにマグネシアへのジルコニア添加が特性向上に有効であることが示された。 3.成果の取りまとめ 本研究の成果について、国内外の学会で発表を行った。とくに、アメリカ、ヨーロッパ、アジアから多数のセラミックス研究者が参加し開催された「3^<rd> International Congress on Ceramics (ICC3)」(Nov.14-18,2010,Osaka)において招待講演を行い、研究成果を広く公開することができた。
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Research Products
(4 results)