2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20650001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
小柴 健史 Saitama University, 理工学研究科, 准教授 (60400800)
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Keywords | 量子情報 / 量子計算 / 量子暗号 / 脱量子化 / 暗号理論 / 脱乱択化 / ビット委託 / エンタングルメント |
Research Abstract |
本研究課題では,アルゴリズム構築の新しいパラダイムとして「脱量子化手法」を確立することが目的であるが,今年度は,それへ向けて,秘匿性増幅技術について着目した.秘匿性増幅技術とは,汎用ハッシュ関数族を利用して分布を一様に近づける技術であるが,量子の設定でも多くの汎用ハッシュ関数族に対して秘匿性増強が可能であることが知られている.また,秘匿性増強技術は,暗号基本プロトコルにおいて頻繁に利用される.量子一方向性置換をべ一スとした非対話形式の完全秘匿量子ビット委託方式,および,古典における逆像サイ塔近似可能一方向性関数に対して適用可能な古典の秘匿性増強技術を組み合わせることにより,逆像サイズ近似可能量子一方向性関数をべ一スとした非対話形式の統計的秘匿量子ビット委託方式を構成することに成功した.このとき,敵対者として量子計算機を利用することを想定してもよいため,量子的な秘匿性増強技術が必要に思えるが,古典的な秘匿性増強で十分であることを示した.これは「脱量子化手法」の確立へ向けた第一歩となることが期待できる. また,上のプロトコルは古典においては非対話形式であることの不可能性が知られており暗号技術としても意義がある量子プロトコルを構成したと言える.また,上のプロトコルは古典においては非対話形式であることの不可能性が知られており暗号技術としても意義がある量子プロトコルを構成したと言える.
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