2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20650002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
上原 隆平 Japan Advanced Institute of Science and Technology, 情報科学研究科, 准教授 (00256471)
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Keywords | 折り紙 / 剛体 / グラフ理論 / アルゴリズム / 計算量の理論 / 展開図 |
Research Abstract |
平成20年度の研究成果の中でも特に重要な成果は、以下の2件である。 1. 複数の箱を折ることのできる展開図の研究 これまで、単位正方形をつないで作った展開図で、一つの展開図から二つの異なる箱が作れるものが2個知られていた。本研究ではスーパーコンピュータを使った探索などを活用し、新しい展開図を数千個見つけることに成功した。さらに理論的に無限個存在することや、タイリングになっている展開図も見つけることができた。特にタイリングになっている展開図は、材料を無駄にすることなく展開図を切り出すことができ、また1種類の展開図からオンデマンドで2種類の箱を作り分けることができるので、梱包などへの応用が見込まれる。 2. プリーツ折りの計算量の研究 n個の等間隔のプリーツ折りを作るためには紙を何回折る必要があるだろうか。本研究ではこの問題をアルゴリズム科学の見地から定式化し、理論的な解析を行った。紙を重ねて折ることも含めた理論的モデルは本研究で初めて提案されたと考えられる。未発表の結果も含めると、理論的な下界を示すことと、その限界に肉薄するアルゴリズムの開発に成功した。 研究実施計画の段階では1の研究しかメドがたっていなかったが、2の研究にも着手でき、また意義の深い結果を得ることができた。研究の目的にも合致し、計画をやや上回る実績が挙げられたと考えている。
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Research Products
(7 results)