2008 Fiscal Year Annual Research Report
フィジオーム・データベース構築を目指す数理モデルプラットフォームの開発
Project/Area Number |
20650012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
淺井 義之 Osaka University, 臨床医工学融合研究教育センター, 特任准教授(常勤) (00415639)
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Keywords | フィジオーム / モデル記述言語 / insilicoML / insilicoIDE |
Research Abstract |
我々は生体生理機能に関する実験的研究から得られたデータ(時系列・形態学的データ)とモデルを統合し,総体として生理機能の理解を目指すphysiome研究を推進するための基盤システムを開発している.この基盤システムによりフィジオームを指向するモデル作成を支援し,データベース構築を推進する.具体的にはまずinsilicoMLというモデル記述言語を定義し,現在これをver1.0へと拡張を行った.insilicoMLでは生体の機能単位を表すモジュール,およびモジュール間の関連を示すエッジという概念を用いて,生体機能・構造を階層的に捉えそれを反映するモデルを記述する.統合開発環境insilicoIDEはモデルのグラフィカルなエディターあるいはシミュレータとして機能する. これまでに発表しているinsilicoMLでは,さまざまなモデルの記述様式が存在することを認識しながら,まずは主に微分方程式で記述される数理モデルを記述することに主眼を置いていたため,偏微分方程式を用いたモデル,あるいはエージェントベースモデルを記述するには不十分な点があった.ver1.0では,特にこれらの点に焦点をあて,適切なXMLタグを追加定義することで,insilicoMLを用いて記述できるモデルの種類の範囲を拡張した.偏微分方程式を2Dあるいは3Dで解くことは通常困難であるが現時点では偏微分方程式のソルバーとしてISIDE外部のアプリケーションを用いることでこの困難を回避している.insilicoMLがサポートするモデルの種類が拡大することで,モデルの再利用性が向上し,かつモデル共有の機会が広がることを期待する.
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