2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20650031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
津田 一郎 Hokkaido University, 電子科学研究所, 教授 (10207384)
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Keywords | 感情情報学 / 自己組織化 / 進化 / カオス力学系 |
Research Abstract |
さまざまな関数系を入出力関数に持つユニットの一次元結合系で、情報伝播量を利得関数とする進化ダイナミクスを行なった。ネットワーク構造を決定するために遺伝的アルゴリズムを用いた。また、ランドスケープは相互情報量によって構築した。このネットワークに外部から情報を入力したときに、この情報がネットワーク内を伝播する様子を詳しく調べ、相互情報量を計算し、情報伝播が大きくなるような関数形を選択するという方式で計算を実行した。このようにネットワークを進化させたときの最終状態を観察し、要素力学系がいかなる関数形に変化したかを調べた。変化させたパラメーターは、結合定数、要素力学系の種々のパラメーターである。ここで、要素力学系は二つのシグモイド関数の重み付和あるいは差で表現した。シグモイド関数には原点近傍の傾きを現すパラメーターとシフトパラメーターがあるので、全部で結合定数を除いて6種のパラメーターがある。これらを遺伝的アルゴリズムで変更を加えて、入力情報を最も多く伝播させる関数形を選択した。進化ダイナミクスの定常状態は、次のようになった。 1. ノイズがある場合は最終的な関数形はステップ関数となった。 2. 入力が周期的な場合は系全体が周期的であり、最終的な関数形はさまざまであった。 3. 結合定数が大きい場合は最終的な関数形はゼロ関数であった。 4. 結合定数が中程度であれば、最終的な関数形はステップ関数でありパルス伝播が可能だった。 5. 結合定数が小さい場合は、最終的な関数形はステップ関数であり振動伝播が可能であった。
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