2008 Fiscal Year Annual Research Report
ピアプロダクションに基づく知識資源コモンズによる図書館機能の実現可能性
Project/Area Number |
20650033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石井 啓豊 University of Tsukuba, 大学院・図書館情報メディア研究科, 教授 (70232238)
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Keywords | 情報図書館学 / 知識資源 / コモンズ / ピアプロダクション / 図書館サービス |
Research Abstract |
本研究の目的は、図書館が担ってきた社会的共有のための知識資源基盤としての役割をネットワーク上で実現する知識資源コモンズに注目し、特に、ピアプロダクションに基づく知識資源コモンズと伝統的図書館の成立に関する組織論的、経済学的な理論枠組みを明らかにすることである。そのために、知識資源コモンズの役割、機能、サービス・プロダクツの構図とシナリオを想定し、伝統的図書館、個人の協力による知識資源コモンズ、図書館の協力による知識資源コモンズの成立に関する理論的説明を構築する。 平成20年度は、知識コモンズ、知識資源コモンズ、ゼアプロダクション、伝統的図書館の成立に関する文献調査を行うとともに、図書館成立の理論に関する予備的検討を行った。また、知識資源コモンズは現代の図書館発展とインターネット・情報技術を基礎とした社会的展開の中から生まれつつあるという認識に立って、現代の図書館サービスの役割と機能の展開の論理を明らかにするために、わが国の公共図書館を対象として、第二次世界大戦後の図書館サービスの展開と普及の動向に関する調査を実施した。調査は全国の公共図書館(分館レベル)の個々のサービスの実施と開始年を収集するもので、約2000館のデータを収集した。21年度には、その結果を整理し、公共図書館サービスの展開の論理を検討したい。 さらに、知識コモンズ、知識資源コモンズの活動事例の調査を一部行った。平成21年度も引き続き調査を行うとともに、経済学的、親織論的基盤に関する検討を行う予定である。
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