2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20650036
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
松井 三枝 University of Toyama, 医学薬学研究部, 准教授 (70209485)
|
Keywords | モラル / 近赤外線分光法 / 自己意識情動 / 前頭葉機能 / 社会認知 / 社会的ルール / 脳機能画像 / 神経心理機能 |
Research Abstract |
本研究では、第1に、社会的ルールの知識構造を自記式調査によって検討する。さらに様々な状況におけるルールの重要性やその必要性について調査し、社会的ルールの知識構造とモラル意識の水準との関連を明らかにする。第2に、恥と罪悪感といった自己意識情動がモラル意識に関与しているかどうか、また関与しているならば、どのように関与しているかを認知実験的アプローチにより検討する。モラル意識に関する認知課題施行時に脳機能画像による脳賦活状態と生理心理学的指標の双方を指標として検討することにより、モラル意識に関与する神経機構を明らかにしようとする。さらに神経心理学的機能とモラル意識との関連を検討することとする。第1に本年度は昨年度からあわせて延べ約460名の健常者に対して、社会的ルールに関する6件法および記述を求める調査を行なった。結果、友人、家族、社会における守るべき社会的ルールに関する内容とそれぞれの頻度が明らかになってきた。さらに、これに違反することに対する評定結果、内容ごとにレベルとそう考える理由の差異が明らかになりつつあるところである。さらに、妥当な解析を次年度継続する予定である。第2に多チャンネル近赤外線スペクトロスコピー(NIRS)である全脳型光トポグラフィを用いて、モラル意識課題賦活による酸素化ヘモグロビン(Oxy-Hb)の濃度変化の検討を前年度に続き例数を増やして行なってきている。第3に臨床的に有用と思われる前頭葉関連機能や社会的認知機能をはじめとした神経心理機能検査バッテリーを組みモラル検査とともに健常児約60名に実施し、さらに次年度継続、解析予定である。
|