2008 Fiscal Year Annual Research Report
非イスラム圏におけるムスリム人口の社会統合ーミクロデータに基づく国際比較研究ー
Project/Area Number |
20650040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小島 宏 Waseda University, 社会科学総合学術院, 教授 (90344241)
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Keywords | ムスリム人口 / 非イスラム圏 / 社会統合 / ミクロデータ / 国際比較 |
Research Abstract |
本年度はまず、連携研究者の店田廣文教授(人間科学学術院)が科研費(平成17〜18年度基盤研究(C)17530394)で収集した「在日ムスリム調査」のミクロデータを活用し、宗教実践、配偶関係、就業行動の規定要因を分析し、その成果を内外の学会で報告した。海外出張(マンチェスター、マドリッド、バルセロナ、リスボン)の際には他のミクロデータを分析した研究結果も合わせて報告する一方、欧州3首都在住のムスリムの比較調査のロンドンとマドリッドの担当責任者J.Nazrooマンチェスター大学教授、B.Alvarez-Mirandaマドリッド・コンプルテンス大学教授)に面会し、調査方法等についてのヒアリングをしながら研究協力の可能性を探るとともに、国際人口移動の専門家(M.Solsonaバルセロナ自治大学教授、J.Peixotoリスボン技術大学教授)からムスリムの状況に関するヒアリングを行った。 また、欧米在住のムスリムに関する書物を海外と国内で購入して文献研究を進めるとともに、早稲田大学アジア校友調査のミクロデータを入力し、店田教授が同上科研費で収集したマレーシアのALEPS(東方政策留学生校友会)調査のミクロデータとの比較分析に着手した。この比較分析によりムスリムと非ムスリムの留学生の日本における社会統合過程の類似点・相違点が明らかになることが期待される。 さらに、米国ワシントンのPew Research Instituteを中心に「世界ムスリム人ロプロジェクト」を実施し、2009年中に中間報告書を作成予定のM.S.Karim博士がたまたま在日ムスリムの宗教実践に関する分析結果の英文報告要旨を目にしたことから、日本のムスリム人口に関する章を担当するように依頼があり、その執筆作業にも着手した。当該プロジェクトへの参加により非イスラム圏のムスリム人口に関する最新情報が得られる見込みである。
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