2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20650051
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山口 瞬 Kobe University, 医学研究科, 准教授 (70304087)
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Keywords | 神経回路 / テトラサイクリン / 蛍光蛋白質 / 可視化 |
Research Abstract |
様々な脳機能は特定の神経回路が担っており、その神経回路を構成する神経細胞では脳機能の発現に伴って、c-fos遺伝子やArc遺伝子などが誘導される。内在性のc-fos遺伝子やArc遺伝子の変化をレポーター遺伝子の発現変化に変換し、その変化をさらにテトラサイクリン投与によって増幅し可視化するシステムの構築を目指した。 まずこのシステムの中核をなす、レポーター遺伝子の発現をテトラサイクリン投与によって増幅する系の開発を行った。弱い転写活性をもつチミジンキナーゼ・プロモーターをモデルとして選び、その転写活性を哺乳類培養細胞中で増幅して検出する手法を開発した。この手法ではまず、チミジンキナーゼ・プロモーターにテトラサイクリン誘導性トランスアクティベーター(tTA)をつないだコンストラクトを細胞に導入する。さらにtTAの結合により転写が活性化されるプロモーターとレポーター遺伝子をつないだコンストラクトを細胞に導入する。テトラサイクリン投与による活性化状態では、チミジンキナーゼ・プロモーターに直接レポーター遺伝子をつないだ場合と比べてはるかに強い転写活性を見ることができた。 次に、レポーターの発現をリアルタイムに観察する技術の開発を行った。Arc遺伝子プロモーターの制御下で短時間半減期型蛍光蛋白質が発現するトランスジェニックマウスを用いて、様々な刺激によって誘導される蛍光のカイネティクスを解析した。in vivoおよび培養した脳組織で解析した結果、この新たに開発した短時間半減期型蛍光蛋白質を用いると内在性の遺伝子の発現変化をリアルタイムに近い状態でモニタリングできることが示された。
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Research Products
(3 results)