2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20650073
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岸田 晶夫 Tokyo Medical and Dental University, 生体材料工学研究所, 教授 (60224929)
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Keywords | 生物・生体工学 / 生体材料 / 生物物理 / 先端機能デバイス / ナノデバイス |
Research Abstract |
申請者は、細胞内での反応を伝達する分子群が核膜、細胞膜および細胞骨格上に存在することに着目し、それらに存在するタンパク質の固有振動と共鳴するエネルギーを与えることによって、個別にタンパク質を活性化あるいは不活性化できるのではないかと考えている。本研究では、ナノメータレベルの微小な機械振動の付加による細胞機能制御法を開発し、細胞の機能変化についての分子レベルでの考察をすることを目的とし、1)微小振動装置の改造・改良、2)微小振動による細胞増殖・接着制御の評価、3)細胞機能のミクロ評価法の確立については検討している。本年度は、1)として、長時間の駆動と高周波数での駆動を行うために、装置の小型・軽量化を試みた。2)に関して、振動付加時のマクロ観察による網羅的情報収集として、光学顕微鏡下での種々の細胞の接着・増殖を観察した。樹立系細胞の場合は、これまでの結果と同様に、微小振動付加による変化は示されなかった。初代培養系においては、振動付加による接着細胞の増加が示され、また、細胞の接着形態にも振動の有無による差異が観察された。また、細胞の分化について、形態観察にて分化状態が観察できるPC12細胞を用いて振動付加時の突起伸張を評価した。振動付加のみでは、その有無による差異は示されなかったが、分化誘導因子の併用では、有意な分化促進が示された。3)として、上述の振動付加時のマクロ観察にて変化が大きかった条件について、分化に関与する遺伝子群の発現をRT-PCR法にて評価した。振動付加後の初期段階で分化関連遺伝子の発現増加が示された。以上の結果は、微小振動の生理学的意義を理解するうえでの新しい知見と考えられる。また、得られた細胞変化現象において、マクロレベルと分子レベルとの相関が得られたことは、本研究の更なる推進における有用な結果と考えられる。
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