2008 Fiscal Year Annual Research Report
ECM模倣ペプチドデザイン法を応用した内皮化促進ステントの開発
Project/Area Number |
20650074
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 竜司 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 助教 (50377884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 裕司 名古屋大学, 医学部, 講師 (60378221)
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Keywords | 医療機器 / ペプチド / マテリアル / ECM / ステント |
Research Abstract |
心疾患は、がんに続いて日本人の死因の第2位である。心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患に苦しむ日本の患者数は16万人を超え、その数は年々増加傾向にある。この治療では、ステントと呼ばれる金属メッシュを血管内に留置して血栓や狭窄を治療する。通常のステント治療では、血栓の形成や再狭窄が生じないよう、抗血栓性薬剤を生涯にわたって飲み続けなくてはならない。本研究では、ステントにECM効果を付与することで周囲の細胞や組織が再生される環境を生み出すことを目的とし、抗血栓性という機能をステントに付与するための内皮化促進ペプチドをスクリーニングした。結果、3残基の内皮細胞特異的ペプチド、平滑筋細胞特異的ペプチド、線維芽細胞特異的ペプチドなどの、複数の細胞種に対して特異的に接着、もしくは、増殖を誘因するペプチドを各種15種類以上単離することに成功した。また、3アミノ酸のトリマーにおいても、細胞特異的な接着・増殖の機能性向上性があることを確認し、細胞により好まれるアミノ酸のプロファイルを取得した。本研究ではこの成果をもって特許出願を行い、出願手続きが完了後すぐに論文発表・学会発表の予定である。このようなペプチド取得が昨年度の第一研究目的であったため、これは達成できたと言える。さらに研究計画通り、次年度は得られたペプチドを実際にステントや人工血管表面にコーティングし、いかにin vivoでの再生促進効果があるのかを確認する。
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