2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ空間での光熱変換を利用した光応答薬物放出ナノキャリアの構築
Project/Area Number |
20650075
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
原田 敦史 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 准教授 (50302774)
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Keywords | 光熱変換 / 金ナノ微粒子 / 薬物放出 / ナノキャリア / ガラス転移温度 / ポリアミドアミンデンドロン / ポリラクチド / 塩化金酸 |
Research Abstract |
本研究では、光を利用したDDSの現状の問題点のひとつである光透過性が乏しい部位でも光応答性を発現しうる薬物キャリアを構築することを目的とする。 本年度は、合目的な分子骨格を有する高分子材料の合成として、光応答薬物放出ナノキャリアは、光を感知し、熱へと変換する金ナノシェル、熱に応答する体温より若干高い温度域にガラス転移温度(Tg)を有する疎水性高分子からなる高分子ミセルであるので、各機能を発現しうるブロック共重合体を合成する必要がある。この目的のために、分岐状高分子であるポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマーの部分骨格であるPAMAMデンドロンと生分解性ポリエステルであるポリ-D, L-ラクチド(PDLL)からなるヘッドーテイル型ブロック共重合体を合成する。ヘッド部であるPAMAMデンドロンの合成方法は既に確立しており、PAMAMデンドロンの末端アミノ基から触媒存在下でD, L-ラクチドの開環重合させることによって、目的のブロック共重合体(PAMAM dendron-PDLL)を得る。PAMAM dendron-PDLLは、その組成によってさまざまな形態のナノ組織体を形成すると予想されることからPAMAM dendron部の世代数を4.5に固定し、種々重合度のPDLL部のブロック共重合体を合成する方法を確立した。PAMAM dendronに対するD, L-ラクチドの仕込み量を固定し、重合時間を変化させることで、PAMAM dendron-PDLLのPDLL部の重合度を制御できることが確認された。 また、この重合は、PAMAM dendron先端へ生体適合性高分子として知られるポリエチレングリコールを導入した場合にも可能であることが確認された。
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Research Products
(4 results)