2008 Fiscal Year Annual Research Report
小児の脂肪性肝疾患(NAFLD)への入院型包括的リハビリテーションの有効性の確立
Project/Area Number |
20650081
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上月 正博 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 教授 (70234698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金澤 雅之 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (60282050)
伊藤 修 東北大学, 病院, 講師 (00361072)
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Keywords | リハビリテーション / 脂肪性肝疾患 / 小児 / 肥満 / 生活習慣病 |
Research Abstract |
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、単純脂肪肝から脂肪肝炎(NASH)、肝不全や肝細胞癌なども合併する肝硬変まで含む一連の疾患であり、メタボリックシンドロームの表現型の1つと考えられている。肥満の増加に伴い、NAFLDは成人のみならず、小児においても増加傾向にあり、今後社会的にも重篤な問題となることが予想される。小児のNAFLDへの治療介入の効果についての報告は海外からのものを含めても少なく、今回、小児NAFLDへの運動療法の効果を検討した。ALT 70IU/l以上を認めた小児肥満患者を、休業の時期に合わせて東北大学病院小児科に入院させ、運動療法と食事療法を施行した。入院が学期にかかる場合は、院内学級を利用した。運動療法は、トレッドミル心肺運動負荷試験により心電図異常がないことを確認、嫌気性代謝閾値(AT)を決定し、このATレベルで自転車エルゴメーターや水中トレッドミルを週4〜5回1時間施行した。食事療法は、原則的に普通食(1900kcal、糖質280g、脂質50g、蛋白質80g)による食事だけに制限した。入院中、保護者も同席の上で栄養指導と日常生活指導も行った。症例は5例、性別は男4名と女1名、年齢12.0±1.7歳、身長160.6±7.1cm、体重89.9±9.8であった。2症例に高脂血症、2症例に糖尿病を認め、全症例にHOMA-IR上インスリン抵抗性とCT画像上肝臓の脂肪化を認めた。64±16日の入院経過後、9.1±5.9kgの減量、AST92±39から28±6IU/l、ALT179±63から39±18IU/lへ改善した。小児NAFLDの治療には食事制限が軽度でも運動療法が有効である。家族を含めた生活習慣是正も入院型包括的治療により可能になると考えられる。
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