2008 Fiscal Year Annual Research Report
制御工学手法に基づく三次元加速度信号からの酸素摂取量ダイナミクス計測法の開発
Project/Area Number |
20650110
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
新関 久一 Yamagata University, 大学院・理工学研究科, 教授 (00228123)
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Keywords | エネルギー代謝 / 伝達関数 / ヒルベルト変換 / 歩行運動 |
Research Abstract |
本年度は, 三次元加速度信号の瞬時振幅とbreath-by-breathで計測した酸素摂取量間(Vo_2)の伝達関数をARXモデルで解析し, そのインパルス応答を求め, インパルス応答係数をフィルタとして計測システムにインプリメントすることでエネルギー代謝ダイナミクスが計測可能かどうか検討した。 三次元加速度センサを被験者の剣状突起部に取り付けた。トレッドミル運動中の前進方向(X), 側方向(Y), 垂直方向(Z)の加速度信号を携帯用データロガーに取り込み, 10Hzでパソコンにダウンロードした。トレッドミル速度は2.5km/hと5.5km/hの疑似ランダム二値系列信号(PRBS)を用いて伝達関数を推定した。PRBSのビット数は8とし, 15秒間隔で繰り返した。PRBS負荷終了後, 回復を待って2.5km/hから55km/hへスピードを変えるステップ運動負荷(SW)応答を記録し, これを検証用データとした。三次元加速度信号のX, Y, Z信号の平均ベクトルを算出し, Hilbert変換により瞬時振幅を求めた。瞬時振幅を入力, Vo_2を出力としてARXモデルによる伝達関数を求めた。決定された伝達関数モデルを用いて入出力間のインパルス応答を求め, SW運動時の加速度計瞬時振幅とインパルス応答との畳み込み演算によりSW運動時Vo_2を推定した。また瞬時位相から運動時の歩行リズム周波数を求めた。7名の健常被験者(男性3名,女性4名,平均年齢26才)で個人のインパルス応答を用いてVo_2ダイナミクスを推定したところ, 実測値と推定値との2乗平均平方根誤差(RMSE)は平均0.071/minであった。また, Vo_2の生理学的応答の特徴である第1相も推定可能であった。
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