2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20650114
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
松岡 英子 Shinshu University, 教育学部, 教授 (20126709)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 樂 信州大学, 教育学部, 教授 (50135117)
|
Keywords | 家族介護者 / ストレス / コーピング / 負担感 |
Research Abstract |
要介護高齢者を介護している家族介護者の介護ストレスや負担感について、ストレス理論を適用して介護ストレスの影響要因と介護者のコーピングの様態を解明し、家族介護者のエンパワーメント支援に関するメカニズムを析出することを目的にしている。本年度は、昨年度から実施している家族介護者の介護ストレスとコーピングに関するインタビュー調査の結果をまとめ、さらに、今年度実施した配票調査の結果を集計・分析した。前者のインタビュー調査から介護者の精神的ストレス状況の変化とコーピングを把握するために、介開始時からの適応プロスィールを描いた結果、3類型に区分できた。ストレス状況に陥る出来事のうち、サービス利用継続の困難、介者の健康状態の悪化などは各ケースに共通の出来事であった。配偶者の介護においては、子どもや親族への支援を求めるケースは少なかった。ストレス状況からの回復には、介護専職員からの支援が有効であり、それは行政単位の支援よりもケアマネ等の個人単位での支援の方が有効であった。後者の配票調査の対象者はデイサービスを利用している在宅家族介護者412名であり、回収率は74.8%である。介護ディストレス反応(9項目の加算尺度、α=.79)を従属変数として、各要因内の変数を独立変数とした分散共分散分析、重回帰分析を行ったところ、介護者の健康、要介護度、家族の不平不満の解消、介護評価得点の有意な影響が確認できた。認知的対処をしている介護者の方が、行動的対処をしている介護者よりも多かった。介護ディストレス反応を従属変数、コーピング項目を独立変数とする一元配置分散分析の結果、8項目に有意差が認められた。介護ディストレスとコーピング頻度との関係は一様ではなく、高ストレス介護者にみられるコーピングと低ストレス介護者のコーピングに識別することができた。
|