2009 Fiscal Year Annual Research Report
各免疫担当細胞間における膜コレステロールの役割の違い
Project/Area Number |
20650123
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
江本 正志 Gunma University, 医学部, 教授 (70232981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 利夫 群馬大学, 医学部, 教授 (00173352)
吉田 朋美 群馬大学, 医学部, 助教 (00312893)
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Keywords | メチル-β-シクロデキストリン / インバリアントナチュラルキラーT細胞 / 膜コレステロール / インターフェロン-γ / インターロイキン-4 |
Research Abstract |
各種免疫担当細胞の維持における膜コレステロールの役割を明らかにするため、C57BL/6マウスの各臓器より調製した白血球を様々な濃度のメチル-β-シクロデキストリン(MCD:細胞膜コレステロール枯渇剤)と反応させ、T細胞、NK細胞、B細胞並びにNKT細胞に及ぼす影響をフローサイトメトリーにより解析した。その結果、T細胞、B細胞並びにNK細胞は、MCDによる影響は全く認められなかったが、NKT細胞はMCD処理により殆ど検出出来なくなった。興味深いことに、肝臓のNKT細胞はMCDにより検出出来なくなったが、他の臓器(脾臓・胸腺・骨髄等)に存在するNKT細胞はMCDを作用させても殆ど影響を受けなかった。NKT細胞は幾つかの亜集団から構成されていることから、本現象がinvariant(i)NKT細胞に特有の現象か否かを明らかにするため、肝内白血球にMCDを作用させた後、α-galactosylceramide(α-GalCer)/CD1d tetramarを用いて、invariant(i)NKT細胞への影響を解析した。その結果、未処理群では多数のα-GalCer/CD1d tetramar反応性T細胞が検出されたが、MCD処理によりα-GalCer/CD1d tetramar反応性T細胞は全く検出出来なくなった。また、MCD処理前後における肝内白血球のインターロイキン-4並びにインターフェロン-γの産生を比較したところ、iNKT細胞の消失に一致して両サイトカインの産生が著しく減少した。これらの結果は、肝臓に存在するNKT細胞の膜上に存在するコレステロールと他の臓器に存在するNKT細胞の膜コレステロールの細胞維持における役割が、大きく異なることが明らかとなった 今後、各種病態モデルを用い、低コレステロール状態とiNKIT細胞との関連を解析することで低コレステロール状態における宿主免疫減弱の詳細な機構が明らかになることが期待される。
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