2009 Fiscal Year Annual Research Report
健全な神経発達の為に新生児の血液脳関門がもつ機能性脂質供給ルート解明と投与設計
Project/Area Number |
20650125
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
友廣 岳則 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部(薬学), 准教授 (70357581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細谷 健一 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(薬学), 教授 (70301033)
赤沼 伸乙 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(薬学), 助教 (30467089)
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Keywords | 食と栄養 / 必須脂肪酸 / 新生児 / 血液脳関門 / ドコサヘキサエン酸 / 光反応性プローブ / プロテオミクス |
Research Abstract |
注意欠陥多動性障害の改善効果を有する機能性脂質の一つ、ドコサヘキサエン酸(DHA)の血液-組織関門を介した輸送については以前不明である。そこで、DHA輸送担体の実体を明らかにするため、神経組織の中でも特にDHA含有量が多い視細胞に着目し、視神経への栄養供給を主に担う外側血液網膜関門(oBRB)におけるDHA供給ルート解明を試みた。ヒトoBRBモデル細胞であるARPE-19細胞への[^<14>C]DHA取り込みを解析した結果、時間依存的に取り込まれ、その初期取り込み速度は17μL/(min・mg protein)であった。さらに、非標識体DHA共存下によってARPE-19細胞への[^<14>C]DHA取り込みは阻害され、そのIC_<50>値は約10-100μMと推定された。さらに、各種脂肪酸による[^<14>C]DHA取り込みに対する阻害効果を検討した結果、リノール酸、アラキドン酸及びエイコサペンタエン酸によって阻害され、オレイン酸によって阻害されなかった。従って、DHAはARPE-19細胞に何らかの脂肪酸選択的な輸送機構を介して取り込まれることが示唆された。また、前年度の研究から光反応性DHAプローブを用いてDHA結合タンパク質を精製可能である事が示唆された。oBRBの実体である網膜色素上皮細胞をサンプルとして、光反応性DHAプローブを用いて回収したタンパク質をMALDI-TOF/MS解析を行った結果、ビタミンA関連タンパク質が各種同定された。今後、同定したタンパク質がDHA輸送機能を有するか、検討を進める予定である。
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Research Products
(1 results)