2009 Fiscal Year Annual Research Report
女性科学者育成のためのメンターマインドを養成するワークショップ・プログラムの開発
Project/Area Number |
20650131
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
朴木 佳緒留 Kobe University, 人間発達環境学研究科, 教授 (60106010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 篤 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (20223133)
松岡 広路 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (10283847)
近江戸 伸子 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (30343263)
相川 康子 神戸大学, 経済経営研究所, 准教授 (00467672)
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Keywords | メンター相談 / ワークショップ / 女性 |
Research Abstract |
女性科学者育成のためのメンターマインドの形成について、昨年度実施したワークショップ等での調査結果を踏まえ、他領域で実施されているメンター相談の実情と比較し、「女性科学者」に固有な観点を導くための比較研究を行った。具体的には、公務労働の職場を比較の対象とし、女性が管理職に「就けない」「なりたがらない」理由についてインタビュー調査を重ね、当事者に対するアドバイスまたは支援についての有効策を探った。インタビューは男女別、年代別の6グループに対して実施し、インタビュー結果をまとめた冊子にし、さらにインタビュイーに冊子を基にして振り返りを行う座談会を開き、意見交換してもらった。その結果、子育てや家事等々の外的事情がもたらす困難だけが問題ではなく、むしろ、女性自身が持っているジェンダー意識が管理職指向を妨げていること、また、私的な事項については男女により受け止め方が相当に異なっていることの2点が明らかになった。したがって、これらの点を相対化するためのアドバイス等が必要であると考察した。 以上の結果を前年度に調査した女性科学者を対象としたメンター・ワークショップと比較考察し、以下について指摘した。 女性の上方指向の薄さは、女性科学者の固有性というより、女性の特徴と言った方がよく、この特徴が専門職指向につながっている。 子育てや家事などの外的条件の問題解決について、現状では個別対応策の域を出ていない。共同的な解決または展望をもつことが重要である。 女性同士のネットワーク形成の必要がある。
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