2009 Fiscal Year Annual Research Report
社会での信頼・信用の機能と価値を考える小中学生向け実験型学習システムの開発と適用
Project/Area Number |
20650138
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Research Institution | Kanazawa Technical College |
Principal Investigator |
今澤 明男 Kanazawa Technical College, グローバル情報工学科, 教授 (20148141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
直江 伸至 金沢工業高等専門学校, 電気電子工学科, 教授 (00249781)
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Keywords | 信頼 / 信用 / 社会科教育 / ゲーム理論 / シミュレーション / 科学的社会認識 / 実験 / 小中学生 |
Research Abstract |
1)昨年度実施した「信頼」「信用」に関する研究動向調査結果をもとに、「信頼」「信用」に関する過去の研究内容を調査した。調査範囲は経済学・経営学・心理学である。 2)上記結果から、特にゲーム理論を用いた研究が本研究に有効との昨年度の見通しを再確認し、これに関する研究結果について重点を置いて調査を行った。さらに、この結果をもとに教材のプロトタイプを作成し、実験を行った。 3)昨年度に引き続き、海外でのビジネス経験豊富な企業人を対象に信頼教育について聞き取り調査を実施した。昨年度は米国を中心にしたビジネス経験を持つ企業人を対象としたが、当年度は文化・社会基盤が日本とも米国とも大きく異なるラテン・アメリカ諸国での経験をもつ企業人を対象とした。その結果、日本企業のリスク管理にも本研究が大いに関わること、その際の日本人の弱点について知見を得たとともに、信頼・信用についての客観的視点を会得する教育の必要性について確認できた。 4)以上、1)2)3)の結果および、長年にわたって管理工学の研究に携わった研究者からの意見聴取の結果から、新しい教育分野として「信頼リテラシー教育」を立ち上げる必要性が日本のグローバル化に向かってあること、本研究がその第一歩になることの確信を得た。 5)現場教員への意見聴取ならびに小中学校での指導内容の調査をもとに、本教材の現場への導入時期、導入方法について検討した。その結果、従来考えていた「道徳」「社会」両科目以外に「理科」教育の一環として生物をモデルとして教材化する可能性を見出した。 6)教材に現場導入の切欠としての金融教育の可能性を調べた。そのために、小中学生に対する金融教育の現状について、セミナーへの参加ならびに資料収集を行い調査した。ただし、この結果の教材への導入については、現在のところ結論に至っていない。
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