2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ粒子が環境生物および細胞間コミュニケーションに及ぼす影響の解析とその利用
Project/Area Number |
20651006
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
青柳 秀紀 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (00251025)
|
Keywords | フラーレン / カーボンナノチューブ / 酸化チタン / ナノ微粒子 / 花粉 / ケミカルコミュニケーション / クオラムセンシング / 蛍光 |
Research Abstract |
化学的性状や物性が異なるナノ微粒子(フラーレン、カーボンナノチューブ、酸化チタン)を用い、ナノ微粒子が「種々の環境生物細胞の生理活性に及ぼす影響」および「環境生物細胞間のコミュニケーションに及ぼす影響」について解析を行った。 各種ナノ微粒子を花粉(スギ、ヒノキ、ツバキ、サザンカ)に作用させ、蛍光顕微鏡で観察した結果、ナノ微粒子を作用させる事により、花粉種特有の自家蛍光の特性が大きく変化した。また、花粉の種類とナノ微粒子の種類により付着特性が大きく異なることが観察された。そこで、花粉へのナノ微粒子の付着率を画像解析により計測する方法を独自に開発した。開発した手法を用いる事により、各種ナノ微粒子と花粉との付着特性を定量的に評価する事がはじめて可能となった。 ナノ微粒子が環境生物細胞間のコミュニケーションに及ぼす影響を解析する事を目指し、Autoinducer(AI)を媒介にしたクオラムセンシングの系を対象に、ナノ微粒子がケミカルコミニュケーションに与える影響について解析を行った。クオラムセンシングにより制御されているVibrio carohariae(VC)の発光および毒素生産の系をモデルに、ナノ微粒子が及ぼす影響について解析を行った。その結果、ナノ微粒子の種類により菌体への付着特性が異なると伴に、発光や毒素の生産に変化が見られた。種々検討した結果、AIや毒素を吸着するナノ微粒子が存在することが明らかとなった。また、AI生産を阻害するナノ微粒子が存在することが示唆された。
|
Research Products
(7 results)