2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ粒子が環境生物および細胞間コミュニケーションに及ぼす影響の解析とその利用
Project/Area Number |
20651006
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
青柳 秀紀 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (00251025)
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Keywords | フラーレン / カーボンナノチューブ / 酸化チタン / ナノ微粒子 / 花粉 / フィジカルコミュニケーション / クオラムセンシング / 蛍光 |
Research Abstract |
化学的性状や物性が異なるナノ微粒子(フラーレン、カーボンナノチューブ、酸化チタン)を用い、ナノ微粒子が「種々の環境生物細胞の生理活性に及ぼす影響」および「環境生物細胞間のコミュニケーションに及ぼす影響」について解析を行った。 各種ナノ微粒子と花粉(スギ、ヒノキ、ツバキ、サザンカ)の付着特性を花粉の自家蛍光特性に基づき定量的に解析すると伴に、ナノ微粒子が花粉の生存活性(Viability)や発芽能に及ぼす影響を解析した。その結果、ナノ微粒子の種類や花粉の種類の違いにより付着特性が大きく異なった。また、ある種のフラーレンが付着した花粉で発芽率が大きく低下した。UV-A照射条件下では、アナターゼ型の酸化チタンが付着した花粉で発芽率が低下した。また、花粉の種類によっては、UV-A照射によりナノ微粒子の影響を受けやすくなる事が示唆された。 ナノ微粒子がフィジカルコミュニケーションに与える影響について、レクチンと糖鎖を介した微生物の直接接着の系を対象に、レクチン修飾ビーズConA-agaroseと、ConAに吸着する糖鎖を細胞表層に持つCandida viswanathiiの接着の系を選択し、そこにナノ微粒子が介在した場合の影響を解析した。その結果、ナノ微粒子は、(A)微生物細胞表層やレクチンに非特異的に接着するもの、(B)レクチンと糖鎖を介した接着に影響を与えないもの、(C)レクチンと糖鎖を介した接着を阻害するもの、の3種類に分類できる事が示唆された。 現在、物性によりナノ微粒子は分類されているが、新たに環境生物に及ぼす影響を加えて再分類し、環境生物に影響の少ないナノ微粒子を選択して使用する事の重要性が示唆された。
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Research Products
(6 results)