2009 Fiscal Year Annual Research Report
エージェントベースアプローチに基づく環境効率のリバウンド効果に関する研究
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20651009
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
石田 葉月 Fukushima University, 共生システム理工学類, 准教授 (20302309)
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Keywords | 環境効率 / リバウンド効果 / エージェントベースアプローチ |
Research Abstract |
本研究は、リバウンド効果のなかでも極めて研究が遅れている「社会変容によるリバウンド効果」を評価・検討するためのモデルを提示することを目的とする。社会変容には様々な捉え方があるなか、本研究では、Fred Hirschが提唱した局所的経済(positional economy)の考え方に沿って、リバウンド効果をエージェントベース(agent-based)の進化ゲーム(evolutionary game)の枠組みを用いて、コンピュータシミュレーションにより検討する。平成21は、環境効率としてエネルギー効率に絞り、エネルギー効率とエネルギー消費量とを関連づける部分均衡モデルを構築し、リバウンド効果の理論的な大きさについて検討した。その際注目したのは、status-seekingとエネルギーの供給弾力性であり、どちらも、従来のリバウンド効果についての議論では取り上げられなかった視点である。それぞれの視点について論文を2本完成させ、学術誌に投稿済みである(審査中)。ところで、このようなequation-based modelは、agent-based modelのための準備である。すなわち、変数の増大、確率変数の導入、微分不可能な関数、空間特性、など、equation-based modelにおいては表現できないものをagent-based modelにおいて取りこむための前準備に過ぎない。それでも、equation-based modelを用いた分析は、agent-based modelに基づく分析の有意味性を示すために、不可欠な研究プロセスであると考えている。実際にagent-based modelは、JAVA言語により、21年度の後半からコーディングを開始し、一旦は作り終えた。現在は、バグの除去やパラメータの選択、プレテストを繰り返すことにより、モデルの微調整を行っているところである。
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