2009 Fiscal Year Annual Research Report
ファンコニ貧血経路の真のターゲットは内因性ホルマリンによる蛋白質ゲノム架橋か?
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20651014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高田 穣 Kyoto University, 放射線生物研究センター, 教授 (30281728)
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Keywords | ファンコニ貧血 / メダカ / BRCA2 / 家族性乳がん |
Research Abstract |
ファンコニ貧血(FA)はまれな小児の遺伝性疾患で、臨床的には進行性の骨髄不全、高発がん性(白血病、扁平上皮がん)、骨格異常が特徴的である。患者由来の細胞はシスプラチンやマイトマイシンCなどのDNAクロスリンク薬剤に極度に感受性である。現在、13の原因遺伝子/相補群(FANCA、B、C等)が知られており、その産物はFA経路と呼ばれる共通の生化学経路で機能するものと考えられる。しかし、FA経路が実際に細胞内でどのようなDNAダメージを修復しているのかは、現在全く不明である。最近、正常細胞の代謝産物であり、血液中にも含まれているフォルムアルデヒドに対して、FA分子の欠損細胞(BRCA2/FANCD1と、FANCD2の欠損細胞)が特に高いフォルムアルデヒド感受性を示す事が報告された。本研究は、フォルムアルデヒドに対するFA分子の応答を解析し、メダカのFAモデルの作成を通じて、フォルムアルデヒドとFAとの関係を調べようとするものである。 メダカのFAモデルの作成のため、京都大学医学部放射線遺伝学の谷口准教授と共同で、メダカBRCA2遺伝子の変異を彼らの作成した変異メダカライブラリーでスクリーニングを施行しているが、昨年度においてはいくつかの機能低下が明らかではないミスセンス変異を同定してのみであった。本年度は、方法を変更し、谷口准教授、遺伝研との共同で次世代シーケンサーによって変異.同定をこころみたが、またしても適切な変異を同定できなかった。さらに次年度でスクリーニングを再度試みることとする。
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[Journal Article] Chemopreventive effects of gefitinib on nonsmoking-related lung tumorigenesis in activating epidermal growth factor receptor transgenic mice2009
Author(s)
Ohashi K, Takigawa N, Osawa M, Ichihara E, Takeda H, Kubo T, Hirano S, Yoshino T, Takata M, Tanimoto M, Kiura K.
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Journal Title
Can Res 69
Pages: 7088-95
Peer Reviewed
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