2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20651027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
若山 裕 National Institute for Materials Science, 半導体材料センター, 主席研究員 (00354332)
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Keywords | 自己組織化 / 走査型トンネル顕微鏡 / 水素結合 |
Research Abstract |
異なる分子を複数組み合わせた新しい分子結晶群「分子混晶」の創製とその生成メカニズム解明を目的とする。まず始めに基板表面上で異種分子を混合配列した「単層分子混晶」の創製とその生成メカニズムを高分解能観察で解き明かし、次にその単層分子混晶を積み重ねた三次元分子混晶の創製とその機能性発現へと発展させる。本年度は単層分子混晶を形成する分子対の探索に注力した。特に分子間での水素結合(CH-F結合)が分子混晶形成の駆動力となっていることがこれまでの知見からわかっていたので、分子周辺が水素で終端されている分子とその水素をフッ素に置換した分子の組み合わせを系統的に調べた。それらの結果から分子間相互作用や分子の形状・大きさ・対称性などが及ぼす分子混晶形成寄稿への役割を明らかにする。具体的には本年度はフッ素化フタロシアニンとペンタセン、およびフタロシアニンとフッ素化ペンタセンの組み合わせを検討した。その結果、フッ素化フタロシアニンとペンタセンの組み合わせでは特定の組成比のときに規則的配列をとることがわかり、分子混晶を形成しうることが見出された。一方でフタロシアニンとフッ素化ペンタセンではいかなる組成比でも規則相を形成することがなかった。分子間相互作用が分子混晶形成に大きく寄与することを示唆する結果となっており、詳細な解析を今後進める予定。
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Research Products
(7 results)