2008 Fiscal Year Annual Research Report
ピエゾアクチュエーターを用いたナノ構造間相互作用の精密制御と物性
Project/Area Number |
20651028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
稲田 貢 Kansai University, システム理工学部, 専任講師 (00330407)
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Keywords | ナノ構造 / 相互作用 / 超精密計測 / 量子ドッド |
Research Abstract |
1. 高分解能変位制御システムの構築 本研究は基板上に配置したナノ構造体の間隔をピエゾ素子の伸張でもって,1nmの分解能で精密に制御して多体効果を含む各種相互作用による新規物性の探索を行うものである。この目的を達成する為の試料ホルダー,ピエゾアクチュエーターおよび静電容量変位センサーを独自に検討し設計を行った。またナノ構造を配置する基板材料についてもその伸張性や膜厚などをシミュレーションにより詳細に検討した。その結果,目的の位置分解能を有するピエゾアクチュエーターは製作可能であるが,既存のピエゾ素子では基板材質によっては十分な伸張トルクが得られないことがわかった。そこで,まずは十分なトルクを有するDCモーター駆動の伸張装置および試料ホルダーを作製することとした。ただし試料ホルダーおよび変位センサーは,ピエゾ駆動のアクチュエーターにも対応できるように汎用性のある構造とした。その結果,ナノ構造間隔を目標である1nm以下の分解能でもってナノ構造間距離を制御可能な高分解能変位制御システムの作製に成功した。また室温・大気中における試料ステージの変位特性について基礎データを取得した。 2. 試料ステージへのナノ構造試料堆積技術の確立 有機分子や金属ナノ粒子,半導体ナノ結晶などナノ構造を有する試料は溶液中で作製されることが多い。またナノ構造試料を基板上へ制御性良く配置する為に基板の清浄表面の特異な構造をテンプレートとして用いる手法を従来から取り組んでいる。このような研究背景から,真空チャンバー中に置かれた試料基板上に液中試料の分散配置を試み,電子顕微鏡観察から試料の分散堆積を確認した。現在その最適条件を探索している。
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Research Products
(6 results)