2009 Fiscal Year Annual Research Report
カイコの免疫タンパク質からの「微生物を十把一からげに認識できる新素材」の開発
Project/Area Number |
20651031
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
佐藤 令一 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (30235428)
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Keywords | カイコ / レクチン / 微生物検出 / 素材 |
Research Abstract |
カイコの体液中に存在する2種類のCタイプレクチン、BmLBPおよびBmMBP、の結合対象微生物をグラム陰性菌5種、グラム陽性菌5種、酵母5種を用いて調査した。その結果、BmLBPは5種類のグラム陰性菌、Brevundimonas diminuta、Brevundimonas vesicularis、Sphingomonas paucimobilis、Ralstonia solanacearum、Escherichia coli W3110、および2種類のグラム陽性菌、Micrococcus luteus、Bacillus Subtilisに結合したが3種類のグラム陽性菌と5種類の酵母には結合しなかった。一方、BmMBPは2種類のグラム陽性菌、Micrococcus luteus、Bacillus subtilis、および5種類の酵母、Saccharomyces cerevisiae、Pichia pastoris、Saccharomycodes ludwigii、Schizosaccharomyces pombe、Rhodotorula rubraに良く結合した。また、2種類のグラム陽性菌、Corynebacterium glutamicam、Pseudomonas fluorescensにも反応性は決して良くないが結合した。すなわち、BmLBPは酵母には結合しないが、広範なグラム陰性菌と一部のグラム陽性菌に結合することが明らかになった。また、BmMBPはグラム陰性菌には結合しないが、広範なグラム陽性菌と酵母に結合するであろうと考えられた。以上から、BmLBPとBmMBPを合わせて使えば、「広範な微生物を十把一からげに認識できる新素材」になると考えられた。すなわち、昨今使われているイムノクロマト法などのどこでも使える簡便な方法で、かなり広範な微生物を一網打尽に検出できる便利な系が組み立てられると期待された。
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