2008 Fiscal Year Annual Research Report
修飾カーボンナノチューブと細胞との相互作用解明およびスクリーニング分別法への応用
Project/Area Number |
20651033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
冨永 昌人 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 助教 (70264207)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 細胞 / 電気刺激 / 膜障害 / 増殖 / 形態 |
Research Abstract |
血清中に含まれる代表的なフィブロネクチンやラミニンなどのタンパク質とカーボンナノチューブ(CNT)との相互作用について検討たが、いずれのタンパク質においてもCNTを可溶化分散できなかった。一方、牛胎児血清(FBS)および牛血清アルブミン(BSA)を用いるとCNTを可溶化分散できた。なお、いずれのCNTも前処理によって細胞毒となる重金属ナノ粒子を除去した。 FBS及びBSAで可溶化したCNT存在下でそれぞれ細胞を培養し、CNT非存在下の場合(コントロール)と比較検討した。FBS可溶化CNT存在下では、0.1mg/m1の濃度の場合では、細胞増殖が抑制されたのに対し、それよりも低濃度の場合はコントロールとほぼ同程度の増殖を示した。また、同様にBSA可溶化CNT存在下で細胞を培養したところ、FBSの場合と同様に0.1mg/ml濃度では細胞増殖が抑制された。一方、それよりも低濃度の0.01、0.001mg/mlの場合はコントロールと比べてむしろ増殖が促進され、FBS可溶化CNT存在下の場合とは異なる挙動を示した。また、FBS可溶化CNTはほぼ均一に分散されていたが、BSA可溶化CNTは細胞に凝集している様子が観察された。以上の結果は、細胞増殖と形態に及ぼすCNTの影響は、可溶化されたタンパク質の影響を大きく反映すること示す。 細胞に取り込まれたCNTの定性定量測定のために、量子ドットを修飾したCNTを新規に合成した。また、CNTのタグとしての量子ドットの蛍光発光を確認した。平成21年度は、量子ドットタグ付きのCNTを用いて定量的に検討を行う予定である。
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Research Products
(30 results)