2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20651040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 雄一郎 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 准教授 (60451788)
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Keywords | 単層カーボンナノチューブ / 電界発光 / ナノデバイス / 光物性 / 物性実験 |
Research Abstract |
単一の単層カーボンナノチューブは理想的な真性半導体に近いふるまいをし、フェルミエネルギーをゲート電圧で効率よく制御できる。これを利用した新しい発行機構である「電荷汲み上げ発光」の原理を実証するため、本年度はデバイスの試作と光学測定系の立ち上げを行なった。まず、バックゲート電極を持つ単一ナノチューブトランジスターを効率的に製作するための手法・条件を確立した。 電子線描画により酸化膜付きSi基板上に触媒をパターニングし、この基板に化学気相成長法を用いて単層カーボンナノチューブを成長した。再度電子線描画により電極を描き込み、金属蒸着によりソース及びドレイン電極を形成し、また、Si基板をバックゲートした。新たにプローバーを作製し、トランジスター動作の確認および電気特性評価を行った。測定時間短縮のためプローバー測定系のコンピュータ制御による半自動化を実現し、また、デバイス選別・歩留まり評価に必要な解析プログラムを作成した。一方で、単一カーボンナノチューブからの電荷汲み上げ発光を検出するための高感度の発行検出システムであるレーザー走査型分光顕微鏡を構築した。波長可変のチタンサファイヤレーザーを用いた発光励起分光により、バンドギャップエネルギーとの共鳴を測定し、個々のナノチューブのカイラリティを同定することができる。また、可動ミラーを用いてレーザーを走査しながらスペクトルの測定を行うことにより、蛍光の画像化が可能である。Si基板上にカーボンナノチューブを成長した試料を用いて発光励起分光やレーザー走査による画像化を行い、発光検出系の動作を確認した。
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