Research Abstract |
本年度実施した主たる研究内容は以下の3点である. 1)政策データの整備:総合計画では,施策の選択,将来の税収と支出の予測などを裏付けるための基礎データとして目標人口など多様な政策が示されている.そこで,関東3県(茨城県,栃木県,群馬県),すべての地方自治体の最新の総合計画を収集し,その内容を整理した.同時に,各自治体における,まちづくり,少子化対策,高齢化対策,社会経済,財政データ,自治体単独補助金交付状況などを,各種データ集から収集し整理した. 2)地域間の男女比格差や苗字の地域差に関する研究:性比不均衡を検出する手法を示し,都道府県,関東地方市区町村の性比不均衡を把握した.出生時のが確率的に決まり人口移動が性別とは無関係に発生するという前提から,地域の年齢階層別性比が正規分布に従うことを示し,これにより導かれた性比と現実の性比とを付き合わせて,性比不均衡の程度を計測した.また,地域性の強さや人口動態の安定性を調べるために,地域ならではの苗字がどのように偏っているのかを統計的に検討を加えた.特に,これら地域格差を地理情報システム上で提示し,空間的に全体の傾向を把握するとともに,政策伝播の時空間構造を明らかにするために,ジョイン値やMoranの統計量にて計測した 3)総合計画のおける人口フレーム:これまでの総合計画では,目標人口がかなり過大に設定されてきた。そこで,各市町村が設定する人口フレームと国立社会保障人口問題研究所による将来予測人口とを付き合わせ,人口フレームの現実性の欠如を指摘した.同時に,人口フレームとから,政策・財政との関係を分析した.
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