2009 Fiscal Year Annual Research Report
新たな磁界計測法に基づく金属物体の位置推定および画像化に関する研究
Project/Area Number |
20651043
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
小林 宏一郎 Iwate University, 工学部, 准教授 (60277233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 慶太 株式会社竹中工務店, 技術研究所, 主任研究員 (30416606)
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Keywords | 計測工学 / 非破壊検査 / 建設物安全管理 / 磁界計測 / 画像化 |
Research Abstract |
本研究は、新たに提案した計測原理による埋設金属物体の非破壊検査技術の開発(正確な位置推定、埋設物の画像化)を目的として、今年度は以下の内容を実施した。 ・前年度試作した簡易型実験システムを用いた実験結果から推定誤差の主要因が、コイルの設定時の位置誤差と小さな角度による原理的な誤差であることが分かった。したがって、コイルの設定位置を0.5mm単位で移動できる実験装置(精密実験装置)を作製した。 ・試作した精密実験装置を用いて、鉄筋深さ位置の推定実験を行い、引き続き最適な形状の磁界印加コイルと磁界検出コイルの設計・製作を行った。また、この設計の際、コイルによる磁界分布の解析のために、有限要素法を用いた磁界分布の解析プログラムの作成も殆めた。現状では、深さ40mm程度までの鉄筋を誤差4mm以内で推定可能であることが実験的に分かった。 ・さらに、第2世代の検出コイルとして、新たに提案するインピーダンス計測法による、高い感度を有するコイル(コイルのQが高い)を開発した。この原理は、コイルの共振現象を用いて高感度化するとともに、コイルの作り方を工夫することによりコイルのQ値が200を超えることが可能となり、超高感度化につながった。この結果、鉄筋のみでなく、電源などの銅線の位置推定も可能になることを実験的に示した。 ・実際の鉄筋コンクリート構造物に近いモデルを作成した。そして、新たに作成した高Qを持つコイルを用いて鉄筋および銅線の位置推定を行った。この結果、深さ50mm程度の鉄筋は十分に検出可能であることが分かった。さらに、深さ30mm程度の銅線も位置推定可能であることが分かった。しかし、このモデル実験より、近接する鉄筋の影響が大きいことが分かった。したがって、今後分解能が高い高感度のコイルの設計製作が必要不可欠であることが分かった。この問題を解決し、実際の現場に利用できる非破壊検査装置の開発を目指す。
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