2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞運動・集合、形態形成を変調する低分子プローブの創製
Project/Area Number |
20651054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大栗 博毅 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 准教授 (80311546)
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Keywords | 天然物アナログ / 多様性指向型合成 / 低分子プローブ / 細胞性粘菌 / インドールアルカロイド / 構造多様性 / 走化性 / 短段階合成 |
Research Abstract |
顕著な生理活性を発現するインドールアルカロイドに共通する構造特性として、インドール環とピペリジン環を有し、かつ、両者が様々な様式で連結した縮環骨格を持つことに着目した。本研究では、この構造特性を踏まえて天然物類似低分子群を設計し、多環性骨格の多様性指向型合成を検討した。さらに、分岐型前駆体の環化モードを改変する戦略により、低分子ライブラリーの構造多様性を創出する新しいアプローチを検討した。 ピペリジン型Scaffoldにインドールやジアゾエステルを連結し、Rh触媒による連続環化で多環性骨格を一挙に構築した。今回、カルボニウムイリドとの環状付加においてインドール環と競合する位置にオレフィンを導入した分岐型環化前駆体を種々合成した。まず、インドール側で環状付加を進行させ、アスピドファイチンに類似した六環性骨格を僅か四工程で構築することに成功した。一方、オレフィン側で環化させることで、構造特性の異なる四環性骨格を合成した。更に、オレフィンの置換様式や反応点であるイリドとの距離を系統的に改変することで、環化モードの制御に成功し、異なる骨格を有する天然物類似化合物群の分岐型合成プロセスを開発した(投稿準備中)。本学齊藤玉緒先生と共同で、合成した低分子群を細胞性粘菌へ投与し、細胞運動・集合を変調する低分子リガンドのスクリーニングを検討中である。
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