2008 Fiscal Year Annual Research Report
戦後〈沖縄経験〉の史的検証と発展的継承の基礎的研究
Project/Area Number |
20651064
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
小屋敷 琢己 University of the Ryukyus, 教育学部, 准教授 (20404551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
比屋根 照夫 琉球大学, 名誉教授 (10045172)
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Keywords | 東アジア / 思想史 / 沖縄経験 |
Research Abstract |
1.文献史料調査 (1)主に敗戦から60年安保までの新聞雑誌等に沖縄に関する報道や議論がどのようになされたか。 特に雑誌『世界』『中央公論』『現代の理論』『展望』等に具体的にどういう言説が現れたか調査した。 (2)法政大学沖縄文化研究所中野好夫文庫の調査 特に沖縄側がどのように本土における沖縄報道を受け止めたのかという点を調査した。 (3)関西沖縄文庫における関連資料の調査を行った。 大阪大正区における沖縄関係者の取り組み、地域調査やフィールドワークなどを具体的に聞き取った。 2.聞き取り調査 (1)東京での調査 比嘉春潮遺族宅で、永嶋伸一郎氏から聞き取りを行った。戦前から戦後にかけて在郷沖縄県人の中心入物である比嘉春潮の資料も確認された。 早稲田大学でのシンポジウム「大濱総長と留学学生」に参加し、その場で日本留学時代の契約学生からの聞き取りを行った。 (2)宮古島での調査 仲宗根将二氏から宮古島での戦後資料について聞き取りをし、宮古高校で50年代の高校文芸誌について所在を明らかにした。これについては佐久川良一氏にも聞き取りを行った。 (3)沖縄での調査 元沖縄タイムス編集委員の由井晶子氏から50年代の契約学生の問題について聞き取りをした。 (4)戦後思想の代表者の一人である鶴見俊輔氏へのインタビューとともに、竹内好のアジア主義に関するシンポジウムに参加した。 鶴見氏への聞き取りのなかで沖縄に関する認識が戦後は安保闘争以後にしか広まらなかったことなどが明らかとなった。
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