2009 Fiscal Year Annual Research Report
日本における災害被害と防災サイクルのジェンダー分析
Project/Area Number |
20651066
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
池田 恵子 浜松医科大学, 教育学部, 准教授 (60324323)
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Keywords | 防災 / ジェンダー / 地震 |
Research Abstract |
本研究は、日本における災害被害の男女差の実態を解明し、防災サイクルをジェンダー分析の手法により検討し、防災サイクルのジェンダー課題に関する情報を整理して提示することである。 本年度は、消防庁の災害被害関連の統計類や主要な災害事例の報告書を収集し、1980年代以降の災害事例別に、性別・年齢別の被害に関するデータベースの整理を行った。阪神淡路大震災(1995)年の犠牲者統計では、高齢者層(60代以上)において男女の死亡率の格差が大きいことが指摘されたが、その他の災害事例でも、その傾向がみられることが把握された。 また、主として新潟県長岡市を拠点として、2004年の中越地震の際に被災女性への支援を行った複数の女性団体に対して、被災時の女性の経験と女性被災者への支援に関する聴き取り調査を行い、関連団体がとりまとめた報告書(フォーマル、およびインフォーマルなもの)を収集した。阪神淡路大震災に関しては、緊急救援から復興まで、関連団体の報告書類がかなり豊富に蓄積されていたため、報告書類に依拠して情報を収集した。それらの情報から、災害時のジェンダー課題が、女性がおかれた状況(妊産婦、幼い子供をもつ女性、高齢女性、障害を持つ家族や認知症の家族を介護している女性、雇用労働・農業や自営業に従事する女性)によって、大きく異なることが理解された。 女性がおかれ状況別、災害の段階別(被災・緊急避難・復興)に、ジェンダー課題を整理した。
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Research Products
(2 results)