2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本における本覚思想の展開-中世後期の天台宗談義所寺院を中心に-
Project/Area Number |
20652007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
曽根原 理 Tohoku University, 学術資源研究公開センター, 助教 (30222079)
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Keywords | 談義所 / 本覚思想 / 乗因 / 戸隠 / 叡山 / 談義 / 論義 / 相伝 |
Research Abstract |
平成20年度は初年度のため、日本天台宗の談義・論義に関する史料研究から着手した。具体的には、天台宗の談義所寺院を代表する一つである成菩提院の旧蔵史料について、解読や分析を試みた。また、関連する叡山文庫などの史料の調査を行った。 その一方で、現在までの蓄積を生かして3つの学会報告を行った。中世の天台宗談義所の方面では、2008年5月に韓国仏教学結集大会において「初期柏原談義所における天台教学」と題する報告を行った。また同年6月には、中世文学会大会において「叡山と談義所」と題する報告を行った。後者については、それを活字化するための追加調査や再調査も行った。それについては、すでに原稿を提出し2009年のうちに発行される予定である。 また、中世の本覚思想の伝統に執着した結果、周囲から異端視された乗因(1682〜1739)の行実について、地元戸隠山の史料調査を試みた結果、従来紹介されていなかった原史料により新たな史実が解明できた。それについて、2008年11月に日本山岳修験学会において「戸隠山別当乗因の思想と教団」と題する報告を行い、2009年度に活字化される予定である。 以上のような視点を生かし、次年度以降は、中世や近世の本覚思想の実態について、史料調査の成果を生かし、本格的に分析していきたい
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Research Products
(3 results)