2008 Fiscal Year Annual Research Report
サグラダファミリア教会の縮尺模型に基づくベル音楽の可聴化
Project/Area Number |
20652012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉川 茂 Kyushu University, 大学院・芸術工学研究院, 教授 (80301828)
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Keywords | サグラダファミリア教会 / ガウディ / チューブラベル / 縮尺模型 / 可聴化 / 鐘楼 / 周波数変換 |
Research Abstract |
サグラダファミリア教会に対するガウディの音楽的、音響的意図を探るために、彼自身の手によって完成された生誕のファザードを研究対象として本研究を計画、実施する。以下は平成20年度に実施した内容である。 ガウディがサグラダファミリア教会の鐘楼に残したと伝えられるチューブ状のベルに基づいて復元されたベルが存在するので、そのベル音を無響室で収録し、スペクトル分析を行った。この分析結果から、ベル音を構成する上で不可欠なスペクトル成分を判別し、ベルの合成音を作成した。この合成音の周波数を25倍に変換し、研究費で購入した球形ツイータ(周波数帯域:15-100kHz,指向性:前方±45度)から送出させた。この放射音をマイクで収音し、周波数逆変換を行って、可聴化した。 次に、生誕のファザードの左半分(表から見て)に当たるバルナバルの塔とシモンの塔の上部構造に関する1/25縮尺模型を製作するため、実測図に基づいて、製作図面を作成し、アクリルで製作した。1/25の縮尺では、鐘楼の壁は65mmになるが、この厚さをアクリルで実現するのは非常に高価で、予算オーバーになると見積もられたので、厚さは50mmに抑えざるを得なかった。しかし、その他の重要な部分(例えば、ルーバー付きの窓など)は1/25の縮尺である。なお、この縮尺模型の頭部はスピーカ(ツイータ)を吊るすためにカットした。この模型を以前の研究で用いてきた鐘楼下部模型(アクリル製)に連結させ、鐘楼頭部からスピーカを吊るして、ベル音を放射させることができた。なお、下部模型は鐘楼の厚さを考慮していないため、構造的に弱いことが判明した。そのため、21年度予算で補強した上で、上部構造と連結する必要が生じた。
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